■泳ぎも優雅な人気者
魚のなかには自衛の手段として、毒を持っている種類も少なくない。インド洋・太平洋の温帯から熱帯の浅い岩礁やサンゴ礁域に分布している、ミノカサゴの仲間もその一つである。
ミノカサゴの仲間で最も身近なものは、北海道以南の温帯域に分布しており、この種がミノカサゴ生息の北限である。また、これによく似たハナミノカサゴは、より熱帯域に分布しており、頭頂に細長い皮弁(皮膚の一部でやわらかい突起物)があることでミノカサゴとは区別できる。
このほかにも、胸鰭や背鰭の棘条が1本1本長く伸びるネッタイミノカサゴやキミオコゼ、別属でやや小型のヒレボシミノカサゴやキリンミノカサゴなどの仲間が知られているが、いずれも熱帯域のサンゴ礁や岩礁域に生息している。ほとんどの種類が長く伸びた背鰭と胸鰭を持っており、体表には横縞が走っていて非常に美しい。しかも、泳ぎ方も比較的ゆっくりとしており、優雅さまで持ち合わせている。まさに熱帯魚らしい人気のある魚である。しかし、この美しく大きな鰭には毒がある。
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(C)日本実業出版社「魚の雑学事典」('05/3)
JLogosID:14615036
最終更新日:2005-03-01