ケータイ辞書JLogosロゴ 耐震強度偽装事件と東横イン改造事件


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 地震が頻発する日本では、建物の耐震性に対する国民の関心が高く、その耐震強度は物件購入に当たっての重要な目安となる。とはいえ、耐震工学に精通した者はほんの一握りなので、結局のところ業者や検査機関を信用するしかないのが実情だ。それだけに、2005年秋に表面化した構造計算書偽装問題の衝撃は極めて大きかった。
05年11月17日、国土交通省は、姉歯秀次一級建築士(当時)が構造計算を請け負っていた建築物についての構造計算書を偽装していたと発表した。そのなかには強度不足のため震度5強程度の揺れでも倒壊する危険性があるものが含まれていることが判明、これらの物件の多くを手がけた分譲業者・ヒューザーの社長や姉歯元建築士ら関係者が逮捕・起訴される事態へと発展した。
従来、構造計算書の確認は地方自治体の仕事であったが、1999年建築基準法などの法改正によって指定の民間業者でも請け負えるようになり、今回はイーホームズや日本ERIがその任に当たっていた。今回の問題の深刻さは、建物自体の質の低さに加え、これらの検査機関が偽装を見抜けなかったところにも看取される。姉歯は一級建築士の資格を失い、イーホームズは指定取り消し処分を受けたが、今後はマンション住民ら被害者への補償問題が最大の焦点となる。
一方で、大手ビジネスホテルチェーンの東横インが、多くの店舗で客室を違法に改造し、駐車場身体障害者用客室を撤去していた事件も、利益優先のあまり建築基準法や、ハートビル法をないがしろにし、障害者を軽視したものとして大きな批判を浴び、その設計に関わっていた関連会社の社員は建築士資格を失った。
これら2つの事件は、不正の実態こそ違え、共に建築という専門性の高い職業に携わる者のモラルを厳しく問うものだったと言えるだろう。
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「(C)知恵蔵2007」
JLogosID:14849359
最終更新日:2011-01-01




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