ケータイ辞書JLogosロゴ 天(あま)の原 振りさけ見れば 春日(かすが)なる 三笠(みかさ)の山に 出(い)でし月かも
【あまのはらふりさけみれば】

あ行>

〈古今・羇旅・四〇六・安倍仲麻呂(あべのなかまろ)〉
[訳]「遠く大空を振り仰いで眺めやると、月が出ている。あの月はかつて故国平城京の春日にある三笠山に出ていたなつかしい月だよ」
<参考>『古今和歌集』の詞書に「◎唐土(もろこし)にて月を見て、詠みける」とあり、詠歌の事情が左注にくわしく記されている。仲麻呂は、養老元(七一七)年、遣唐使の吉備真備(きびのまきび)らに伴って唐に留学し、そのまま現地に残留して、玄宗(げんそう)皇帝に朝衡(ちょうこう)の名で仕え、李白(りはく)や王維(おうい)などと親交があったが、天平勝宝五(七五三)年、遣唐使の藤原清河(きよかわ)とともに帰国しようとした。この歌は、その際、明州(=現在の寧波)で催された送別の宴で詠んだと伝えられる。結局、船が難破して安南に漂着し、仲麻呂は帰国できなかった。『土佐日記』にも、初句を「青海原(あをうなばら)」として引用されている。故国奈良でかつて見た三笠山の月に、唐土の月を重ねた、望郷郷愁の歌である。
解説文を自分にメール
メアド:Milana@docomo.ne.jp

(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5070865
最終更新日:2007-12-11




ケータイ辞書 JLogosトップ