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【へ】
<格助>

は行>

〔体言に付く〕[1](動作・作用が進行する方向)…の方へ。…に向かって。…の方に向かって。
[例]「その煙(けぶり)、いまだ雲の中立ちのぼるとぞ、言ひ伝へたる」〈竹取・富士の煙〉
[訳]「その煙は、いまだに雲の中に向かって立ちのぼっていると、言い伝えている」
[例]「前栽(せんさい)の中に隠れゐて、河内(かふち)いぬる顔にて見れば」〈伊勢・二三〉
[訳]「庭の植え込みの中に隠れて、河内(→かはち)の方へ行ったふりをして見ていると」
[2]((中世以降))(動作・作用の帰着点・到達点)…に。…へ。
[例]「今はかうと思はれければ、太刀(たち)、長刀(なぎなた)海投げ入れ、甲も脱いで捨てられけり」〈平家・一一・能登殿最期〉
[訳]「今はこれまでと思われたので、太刀や、長刀を海投げ入れ、かぶとも脱いでお捨てになった」
[例]「この一両、我がかたに納むべき用なし。御主(ぬし)返したし」〈西鶴諸国ばなし・一・三〉
[訳]「この一両は、私のほうでいただく理由はありません。もとの持ち主返したい」
[3]((中世以降))(動作・作用の及ぶ対象)…に。…に対して。
[例]「神参るこそ本意(ほい)なれと思ひて、山までは見ず」〈徒然・五二〉
[訳]「神様参拝することが目的と思い、山の上までは見なかった」
<参考>格助詞の「に」と「へ」を比較すると、もともと「に」が特定の位置・到達点を示したのに対し、「へ」はだいたいの方向を示したという違いがある。また、「へ」は本来、現地点から遠い距離への動作・作用をいう場合に用いられたが、時代が下るにつれてしだいに遠近にこだわらなくなっていった。
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5072112
最終更新日:2007-12-11




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