ケータイ辞書JLogosロゴ ゆくり-な・し
【ゆくり-な・し】
[形][ク](く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ

や行>

思いがけない意の「ゆくり」に状態を表す接尾語「なし」が付いてできた語。連用形「ゆくりなく」の形で副詞的に用いられることが多い。
[1]思いがけない。突然だ。不意だ。
[例]ゆくりなく風吹きて、漕(こ)げども漕げども、後(しり)へ退(しぞ)きに退きて、ほとほとしくうちはめつべし」〈土佐・二月五日〉
[訳]突然に風が吹いて、漕いでも漕いでも、後に戻って、危うく(舟を)落とし沈めてしまいそうである」
[例]「いさよふ月に、ゆくりなくあくがれんことを女は思ひやすらひ」〈源氏・夕顔〉
[訳]「沈もうかとためらっているような月に(誘われ)、思いがけなく本来の場所を離れてさまようようなことを、女は思いためらって」
[2]不用意だ。軽はずみだ。
[例]「あたら思ひやり深うものし給ふ人の、ゆくりなくかうやうなること折々交ぜ給ふを、人も怪しと見るらむかし」〈源氏・賢木〉
[訳]「惜しいことに思慮深く行動なさる方(=光源氏)が、不用意にこのようなこと(=桐壺(きりつぼ)院亡き後の藤壺(ふじつぼ)に恋文めいた便りをすること)を時々差しはさみなさるので、女房も変だと思っているだろうと」
[例]「さのたまふ人ありとて、入道殿の、いかでかは、ゆくりなくうけひき給ふぞ」〈夜の寝覚・五〉
[訳]「そのように(出家したいと)おっしゃる人がいるといって、入道殿は、どうして、軽はずみに承認なさるのか」
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5113194
最終更新日:2007-12-11




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