ケータイ辞書JLogosロゴ ゆゑ
【ゆえ】
[名]

や行>

ゆゑ【故】(ユエ)
《原因・理由》原因。理由。事情。→[1]
《由緒》由緒。相当な家柄。→[2]
《風情》(すばらしい)風情。趣。→[3]
《縁故》ゆかり。縁故。→[4]
《支障》支障。さしさわり。故障。→[5]
《形式名詞》…のために。…によって。→[6]
…なのに。…にもかかわらず。→[7]
根本的な原因・理由がもともとの意であったが、転じて、結果をもたらすものの意として用いられた。支障など悪い結果をもたらすものとしての意も表すが、多くは由緒・家柄などよい結果をもたらすものとしての意を表す。
特に中古では由緒や風情で一流のものの意を表し、二流のものの意を表す「よし」と区別して用いられた。
[1]原因。理由。事情。わけ。いわれ。
[例]「この獅子の立ちやう、いとめづらし。深きゆゑあらん」〈徒然・二三六〉
[訳]「この獅子(の像)の立ち方は、たいへん珍しい。深いいわれがあるのだろう」
[例]「この扇の尋ぬべきゆゑありて見ゆるを」〈源氏・夕顔〉
[訳]「この扇は調べてみなければならないわけがありそうに思われるなあ」
[2]由緒。相当な家柄。すぐれた素性(すじょう)。高貴な身分。
[例]「母こそゆゑあるべけれ」〈源氏・若紫〉
[訳]「母親は由緒ある方なのだろう」
[3](すばらしい)風情。趣。
[例]「落ち来る水のさまなど、ゆゑある滝のもとなり」〈源氏・若紫〉
[訳]「流れ落ちてくる水のようすなども、のある滝の下である」
[4]ゆかり。縁故。また、縁故の人。
[例]「旧(ふる)き男にてありし人のゆゑなどにてもやおはしますらむ」〈今昔・三〇・四〉
[訳]「昔の夫であった人の縁故の方などでもいらっしゃるかもしれないのだろうか」
[5]支障。さしさわり。故障。
[例]「何のつつましき御さまなれば、ゆゑもなく入り給ひにけり」〈堤中納言・思はぬ方にとまりする少将〉
[訳]「何の遠慮もいらない(姫君の)ごようすだから、さしさわりもなく(家に)お入りになってしまった」
[6]〔形式名詞として体言または連体形に付いて〕(原因・理由を表して)…のために。…によって。
[例]「◎陸奥(みちのく)のしのぶもぢずり誰(たれ)ゆゑに乱れむと思ふ我ならなくに」〈古今・恋四・七二四〉
[訳]⇒みちのくの…〔〔和歌〕〕
[7]〔形式名詞として体言または連体形に付いて〕(逆接的に原因・理由を表して)…なのに。…にもかかわらず。
[例]「◎はなはだも降らぬ雪ゆゑこちたくも天(あま)つみ空は曇らひにつつ」〈万葉・一〇・二三二二〉
[訳]「◎たいして多く降るわけでもない雪なのに、仰々しく空には一面に雲が広がっていく」
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5113351
最終更新日:2007-12-11




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