ケータイ辞書JLogosロゴ おほけなく


百人一首

おほけなく 憂き世の民に おほふかな わが立つ杣(そま)の 墨染めの袖(そで)
〈千載・雑中・一一三七・慈円(じゑん)〉
[訳]「身の程もわきまえず、つらいことの多いこの世の人々を救うために覆い包むことだよ。比叡(ひえい)山に住み始めた僧である私の墨染めの袖で」
<参考>「◎阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)の仏たちわがたつ杣に冥加(みゃうが)あらせ給へ」〈新古今・釈教・一九二〇・最澄(さいちょう)〉を踏まえた歌である。本歌は、最澄が比叡山の根本中堂(こんぽんちゅうどう)を建立(こんりゅう)したときの歌といわれ、「わがたつ杣」は比叡山延暦(えんりゃく)寺を指し、最高の悟りの境地を得た仏たちを賛美し、比叡山の加護を祈願した歌である。「阿耨多羅三藐三菩提」は梵語で、慈円が天台座主(→てんだいざす)に就いたのはこの歌の詠まれた以後のことであるが、世の衆生(しゅじょう)を救済しようとする使命感を早くからいだいていたことをうかがわせるものがある。「墨染め」に「住み初め」をかける。『小倉百人一首』の作者表記は「前大僧正慈円(さきのだいそうじゃうじゑん)」となる。
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5113424
最終更新日:2007-12-11




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