ケータイ辞書JLogosロゴ 白露に


百人一首

白露に 風の吹きしく 秋の野は 貫きとめぬ 玉ぞ散りける
〈後撰・秋中・三〇八・文屋朝康(ふんやのあさやす)〉
[訳]「葉に置く白露に風が吹きつける秋の野は、さながら緒(お)(=糸)で貫きとめていない珠玉が乱れ散っているようだよ」
<参考>「寛平御時后宮歌合(くゎんぴゃうのおほんとききさいのみやのうたあはせ)」の歌で、『後撰和歌集』の詞書に「◎延喜御時、歌召しければ」とあるのは誤りであるとされる。「白露」を「玉」(=真珠など)に見立てて糸で貫いた装飾品と見る趣向で、同じ朝康の歌に、「◎秋の野に置く白露は玉なれや貫きかくる蜘蛛(くも)の糸筋」〈古今・秋上・二二五〉もある。この歌は秋の野の草に置いた露が風に吹かれてこぼれ落ちる光景を、玉を貫いた糸が切れて散り乱れるとしたもので、映像性や視覚美がきわだっているが、露は無常を表象する景物でもあり、蕭条(しょうじょう)とした秋の野の寂寥(せきりょう)感も漂っている。
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5113429
最終更新日:2007-12-11




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