ケータイ辞書JLogosロゴ 『源氏物語』にちなむ遊戯
【げんじものがたりにちなむゆうぎ】

暮らしと文化

『源氏物語』に関連する遊戯は、貝合わせ、絵双六(すごろく)、カルタ、文字鎖(→<暮らしと文化>「源氏文字鎖」)など数多くあるが、その一つに「源氏香(げんじかう)」がある。
源氏香は、五種類の香料を各五包みずつ合計二五包み用意し、その中から無作為に五包みを取り出してたき、香の組み合わせをあらかじめ定められた『源氏物語』の巻名で答えるものである。その組み合わせは五十二通りなので、『源氏物語』の五十四巻から桐壺(きりつぼ)巻と夢浮橋(ゆめのうきはし)巻が除かれている。この香の組み合わせを棒状の線で記号化したものが「源氏香図」である。例えば、五本の棒が全部ばらばらのものは「帚木(ははきぎ)」と呼ばれ、五つの香料はすべて別であることを意味する。また、五本の棒の頭が横につながっているものは「手習(てならひ)」と呼ばれ、すべて同じ香料であることを意味する。この図は文様性が高いので、「源氏香文様」として流布した。
江戸時代後期の百人一首や往来物の版本には、「源氏物語香図引歌(かうのづひきうた)」と呼ばれる付録がつけられたが、これは、巻の場面の絵や巻名の由来となった歌に「源氏香図」を添えたものである。中には、本来はない桐壺巻や夢浮橋巻の香図まで恣意(しい)的に加えられたものまであった。
また、「投扇興(とうせんきょう)」という遊びがある。木枕風の縦長の台の上に蝶(ちょう)と呼ばれる的を置き、扇を投げて蝶を落とし、蝶や扇の落ちた形を見て、あらかじめ定められた『源氏物語』の巻名を付した点数表と照合して得点を判定するものである。中国から伝わった「投壺(とうこ)」と呼ばれる遊戯にならって、安永二(一七七三)年に考案されたといわれる。
ほかに、絵双六に似た遊戯に「源氏物語絵合(ゑあはせ)」がある。これは『源氏物語』にちなんだ優雅な絵が描かれた紙の四隅に、巻名を記した細かい縦長の枠が設けられ、そこに相当する巻名の札を順次置いてゆくものである。
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5113467
最終更新日:2007-12-11




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