ケータイ辞書JLogosロゴ 古事記
【こじき】

主要作品解説


編者・成立
現存する日本最古の書物。和銅五(七一二)年に成立した。『古事記』序に書かれている成立事情は、次のとおり。天武天皇は、天皇家や諸家に伝わる『帝紀ていき』(=天皇の系譜を中心とする記録)や『旧辞きゅうじ』(=古代の神話や伝承)に誤りやいつわりが多いことを憂うれ え、真実を後世に伝えるため、稗田阿礼ひえだのあれに『帝紀』と『旧辞』を誦習しょうしゅう(=節をつけて繰り返し読むこと)させた。天皇の死で事業は中断したが、その遺志を受け継いだ元明天皇の勅命によって和銅四(七一一)年に再開された。太安万侶おおのやすまろは稗田阿礼が誦習する『帝紀』『旧辞』を記録して編集し、翌年『古事記』として完成させたのである。 太安万侶(?~七二三)は、奈良時代前期の文人・民部卿みんぶきょう(=民部省の長官)。文武・元正・元明の三人の天皇に仕えた。『日本書紀』の編集に携わったという説もある。 稗田阿礼(生没年未詳)は、奈良時代前期の舎人とねり(=下級官吏)。非常にすぐれた口誦と記憶力の持ち主だったといわれている。
内容・構成
天皇家を正当化し、神話化する意図をもつ歴史書。神話・伝説・説話と、祭祀さいし・恋愛・闘争・狩猟などをうたった約百十首の歌謡とを含む。 上・中・下の三巻から成り、上巻は日本国の建設についての神代の物語、中・下巻は皇位継承順に各天皇の系譜や物語をまとめた人間の代の物語である。上巻の初めに『古事記』企画から成立までのいきさつを述べた序が置かれている。 [上巻] 序と、神々の誕生から初代天皇とされる神武天皇出生までの神話。伊邪那岐命いざなきのみこと(=男神)と伊邪那美命いざなみのみこと(=女神)の結婚と国生み、天照大御神あまてらすおおみかみの天あま の岩戸いわとの話、須佐之男命すさのおのみことの八俣大蛇やまたのおろち退治、大国主命おおくにぬしのみことと因幡いなばの白兎しろうさぎの話、邇邇芸命ににぎのみことの高千穂たかちほへの降臨などの神話を収める。[中巻] 神武天皇から応神天皇までの神話的な歴史と英雄伝説。神武天皇の東征、父にうとまれた倭建命やまとたけるのみことの遠征と白鳥伝説などの神話的伝説のほか、『論語』などの大陸文化の伝来についても述べられている。[下巻] 仁徳天皇から推古天皇までの歴史と伝説。仁徳天皇の仁政と皇后の嫉妬しっと、軽皇子かるのみこと軽大郎女かるのおおいらつめの悲恋、雄略天皇と赤猪子あかいこの話など、人間世界の現実的な話が、歌謡を織りまぜておおらかに語られる。
文体・特色
すべて漢字で書かれている。序は純粋な漢文体。本文は変体の漢文体で、漢字の音と訓を交え、日本語の思考に合わせて句法や語順を変形している。歌謡は和文体で、後世万葉仮名と呼ばれた一字一音式の表記を用いている。漢字を用いながらも、語り継がれてきた日本の言葉やその意味を伝えるくふうがなされている。 簡潔・素朴な文体で語られる神話や伝説は、各場面でうたわれる歌謡とともに、文学性・叙情性豊かな叙事文学としてとらえることができる。
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5113631
最終更新日:2007-12-11




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