ケータイ辞書JLogosロゴ 新古今和歌集
【しんこきんわかしゅう】

主要作品解説


撰者・成立
八番目の勅撰和歌集。 建仁七(一二〇一)年、後鳥羽院は和歌所を設置して、源通具みちとも・藤原有家ありいえ・藤原定家・藤原家隆いえたか・藤原雅経まさつね・寂蓮じゃくれん(途中で死去)の六人に勅撰和歌集撰進の院宣を下した。元久二(一二〇五)年に成立したが、その後も院のもとで切り継ぎ(=改訂)が重ねられた。院宣を下した後鳥羽院自身が歌集の成立・切り継ぎに深くかかわっており、その点が他の勅撰集とは異なっている。 後鳥羽院(一一八〇~一二三九)は、第八十二代天皇。譲位後、承久の乱(一二二一年)で倒幕をはかるが敗れ、隠岐おき に流された。
歌人
王朝文化を追慕する貴族や僧侶そうりょを中心に、各時代にわたって約四百人、そのうち八十余人が女性である。 主な歌人は、後鳥羽院や撰者たちのほか、西行さいぎょう(=もと武士だったが、出家して生涯を旅に過ごした)・慈円じえん(=関白藤原忠通ただみちの子。天台座主ざす )・藤原良経よしつね(=関白九条兼実かねざねの子。仮名序の筆者)・藤原俊成(=定家の父。『千載和歌集』の撰者)・式子内親王(=後白河法皇の皇女)・藤原俊成女むすめ(=後鳥羽院に出仕。後に出家した)などである。
内容・構成
二十巻。約二千首の和歌を収める。すべて短歌で、長歌など他の形式の歌はない。 『古今和歌集』の編まれた時代を理想とし、その伝統を受け継ぎつつ新風を目ざすという意味で、『新古今和歌集』と命名された。 『古今和歌集』と同様、冒頭に仮名序、末尾に真名序を置くが、どちらも後鳥羽院の立場に即して書かれている。 部立は、春(上下)・夏・秋(上下)・冬・賀・哀傷・離別・羇旅きりょ・恋(一~五)・雑(上中下)・神祇じんぎ・釈教で、『古今和歌集』に準じているが、神祇と釈教は新たな部立である。神祇には神が詠んだとされる歌や神社・祭礼を詠んだ歌が、釈教には仏が詠んだとされる歌や仏の教えについての歌が収められている。 天皇や上皇を中心とする貴族社会から武家社会へと移行する動乱の世にあって、現実は捨象され、美的・観念的な題材が好まれた。四季の歌が約七百首、恋の歌が約四百四十首ある。配列は、季節の変化や恋愛の進展の過程などの時間の推移に即しており、また歌語の連想にも配慮されていて、『古今和歌集』よりさらに緻密ちみつになっている。
文体・特色
七五調が主で、初句切れ・三句切れが多い。 特徴的な修辞は体言止めと本歌取りである。本歌取りとは、ある古歌(=本歌)の語句や趣向を意識的に取り入れて詠むことによって余情を深める技法をいう。俊成の幽玄(=深遠でとらえがたい余情美・象徴美の極致)や定家の有心体うしんてい(=歌からとらえられる作者の深い心)などの理念に代表される歌の世界は、絵画的・音楽的・物語的であり、象徴的で余韻に満ちている。 幽玄や有心の理念は、能や茶道などの中世の諸芸能や近代短歌に影響を与えた。
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(C)東京書籍[全訳古語辞典('06/2)]
JLogosID:5113644
最終更新日:2007-12-11




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