心臓ガンって聞かないのですが
昭和五六年以降、日本人の死亡原因のトップはガンです。胃ガンに肺ガン、女性の場合は乳ガンも増加しているようですが、なぜか心臓ガンって、聞いたことがありません。心臓はガンにならないのでしょうか。
ごくごくまれにガンになった例がみられますが、ほとんどありえないといっていいようです。では、なぜ心臓だけがガンにかからずにすんでいるのでしょう。
理由は二つ。一つは、心臓の細胞が特殊なため。心臓の細胞は脳と同じように、増殖することがありません。心筋梗塞(こうそく)で心臓の細胞の一部が壊死するケースがありますが、その場合も他の器官とは異なって、新しい細胞に入れ替わることはありません。ガンは細胞の異常増殖ですから、心臓の細胞はガンにならないのです。
脳には脳腫瘍(しゆよう)というガンが発生しますが、あれは細胞の結合組織にできるガンで、神経細胞自体にできたわけではないので、心臓には当てはまりません。
もう一つの理由は、心臓が高温のため。心臓の重量は体重の約〇・五パーセントしかありませんが、体全体が発生する熱の一〇パーセント以上を心臓一つがつくり出していて、常に四〇度近くの高温になっています。
ガンの治療方法の一つに温熱療法というものがあります。これはガンが熱にとても弱い性質を利用した治療方法で、体温を四〇度近くに保ち、ガン細胞を殺してしまうもの。つまり、もし心臓にガンができたとしても、四〇度という高温に耐えきれず、ガン細胞は死滅してしまうのです。
心臓と同様に、脾臓(ひぞう)も他の臓器と比べて高温のため、ガンにかかりにくいといわれています。
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(C)角川学芸出版「無敵の雑学」('06/1)
JLogosID:5155150
最終更新日:2008-01-24