原油流出事故で残った原油はどうするの?
タンカーの座礁で原油が海に流れ出してしまう事件は、ときどきニュースで報じられては私たちの心に重くのしかかります。
日本でも一九九七年一月、ロシア船籍のナホトカ号が日本海で座礁し、北陸から山陰地方にかけての海岸が原油で汚染された事故がありました。地元の人や全国から集まったボランティアの人が何か月もかけて漂着した油をすくいとる作業が続けられました。しかし実際には、すべての作業が終わった後にも、かなりの原油が残ったのです。
しかし現在、当時の海岸には、あのおびただしい原油の痕跡はほとんど見られません。岩場や砂浜の中に埋もれていた原油は、ほとんどが土や水の中に棲(す)む微生物が食べて、水や炭酸ガスに分解してくれたのです。自然が持つ、自己浄化能力には恐れ入ります。
このような微生物が持つ能力を利用して、汚染された環境(その原因のほとんどは人間です!)を元に戻す技術を「バイオレメディエーション(バイオ環境修復)」といいます。この技術は原油の処理だけでなくゴミ焼却施設のダイオキシンや農作物から地面にしみこんだ農薬の除去にも効果が期待されています。
タンカーの原油流出事故でも、すでに八九年アラスカ沖で起きた事故や九〇年にメキシコ湾で起きた事故ではこの技術が使われて成果を収めています。アメリカではこの技術を積極的に利用しているのに対し、日本ではナホトカ号事故のときにも試験的に使っただけです。しかし、九九年以降は政府によるガイドラインが示され、実用化に向けて期待が寄せられています。
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角川学芸出版「話を盛りあげる究極の雑学」
JLogosID:5180352
最終更新日:2008-02-29